年上同期から恋人へのロード
【別れは突然に】

高校時代は付き合っても、先輩の大学合格後も2人でゆっくりできる時間がなく、先輩との甘い思い出は無かった。

でも先輩が大学生になったら、きっと遠距離になっても、これからは恋人同士として思い出を作れる、そう思っていた。

私は、地元の大学を受けることにした
高校3年は部活も受験もあってバイトができなかったから、京都に先輩に会いに行くことができなかった。

先輩も1年生は勉強とバイトとサークルで余裕がないらしく、お正月休みに帰省しても、1日しかなく、初詣に私と高校時代の部活の皆で行き、夜は家族で過ごして、直ぐに帰って行った。

初めの頃は毎日頻繁にあったメールも、その頃には徐々に少なくなっていった。
「牧瀬、寂しい思いをさせてごめんね。大学生活がなかなかハードで余裕が無くて。
落ち着いたら、もっと時間作るから」
連絡がなかなかできないことに先輩は気遣ってくれた。
「先輩、無理しちゃダメですよ!栄養がある物を食べて、時間ができたらしっかり寝てください」

本当はもっと先輩と話をしたい。先輩に触れたい、先輩に会いたい。
そう言えず、
「先輩!私は大丈夫ですよ!先輩は自分のことだけ考えてください」
そう強がってみせた。

私は大学生活がようやく慣れてきたころ、バイト代も貯まり、先輩を驚かせようと先輩の大学のホームページで学祭情報を調べて内緒で行くことにした。

「先輩びっくりするだろうなぁ。喜んでくれるかなぁ」
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