Cat&Orange
道行く全ての人は、誰かとつながっていて一人じゃない。でも、僕は違う。僕は一人だ。誰ともつながれず、まるで透明人間みたいに過ごしている。

大学の教室に入れば、みんなおしゃれをしてキラキラ輝いている。そして、一緒に飲みに行った時のことなんかを話してる。でも、僕にはそうやって話せる人がいない。

授業が終わって、お昼休憩の時間になっても、僕はずっと一人だ。夕方になっても、夜になっても、ずっと一人ぼっちが続いていく。

でも、こんなものもう慣れっこだ。大丈夫、怖くも寂しくもない。

賑やかな声の中、僕は一人俯いた。



僕、零(れい)の家は転勤族だった。物心ついた頃からしょっちゅうあちこちに引っ越していき、一年も同じ街にいなかった時もある。

小学生や中学生の頃は、頑張って友達を作った。一緒にサッカーをしたり、ゲームをしたりして遊んだ。でも、その関係も引っ越してしまえばおしまい。手紙も、電話も、LINEも来ない。一瞬で友情の糸は切れてしまう。
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