Cat&Orange
だから僕は、いつだって孤独だった。すぐにお別れになってしまうからと冷めた気持ちでいて、話しかけてくれた人のことを信頼することができなくなっていった。

さらに、僕の両親は二人とも仕事人間でほとんど家にいなかった。だから、学校行事に来てくれることはなかったし、家族なのにほとんど会話したことがない。

自分の成績で入れる大学に入って、一人暮らしを始めた。でも、ずっと引っ越してばかりだったから、人とどう関わればいいのかわからない。友達の作り方が、友達の定義が、わからない。だから今でも僕は孤独だ。

授業が終わると、真っ先に教室を出る。この場所から少しでも早く逃げたくて、早足で大学から帰る。そしてアパートの近くにある公園のブランコに座り、空がオレンジに変わるのを見る。これがつまらない僕の一日だ。

両親からは、十分すぎるくらいの学費と生活費をもらっている。そのため、大学生だけどアルバイトをしなくていい。
< 3 / 7 >

この作品をシェア

pagetop