凍りついた愛
 部屋番号を確認して、エレベーターで移動した。

 それからエレベーターから降りて、カードキーの部屋番号をもう一度確認しようとした。

「おい! こんなところにいたのか!」

 別のエレベーターから出てきた中年男性の声に驚き、後ろを振り返った。

「部屋まで連れて行くよう言ったよな? それなのに、さっさと一人で行って!」

 突然出てきて、何を言っているのだろうか。

 彼の顔は真っ赤になっていて、かなりの量の酒を飲んだのだとわかった。

 足元を見ると、ふらついていて今にも倒れてしまいそうだ。

「ここで働いているんだったら、もっと客を大事にしろよ!」

「違います、私は・・・・・・」

 このホテルの従業員でないことを言っても、そんなはずないと怒り出した。

 酔っ払っている人に何を言っても聞いていなくて、どうしたものかと困っていた。

 男性が大声で怒鳴り散らしていると、目の前のドアが開いた。

「うるっさいんだよ! 一体何やってんだ!」
< 6 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop