田舎猫と都会猫、のはなし。
白く細長い指先が、
そっと頬に触れる。
「ほら、じっとして。」
束ねられていた長い毛は
あっけなくほどかれ
滑らかな感触で
撫でられている。
「綺麗な毛並み。」
私は食事を済ませると
奥にあるシャワー室に案内された。
「もっと綺麗にしてあげる。」
私はただ
都会猫に会いに来た
はずなのに…
どうなってしまうんだろう…
でももう頭が真白で
何も考えられない…
食事にでも
なにか入っていたのだろうか
それとも疲れからか…
意識が朦朧としている
身体を這うように
指先の微かな感触で
泡だつ粘液の
柔らかく滑りのある
膜に包まれ
「あぁ…。」
恍惚と甘美に身悶えて
意識は遠のいた。