今日も彼女に振り回されてる。



…なんだとこのやろ。


こうして毎度泣きついてくる割には反抗的。

ほんと可愛いんだか可愛くないんだか、よく分からない女の子だ。


懐かれてるのは悪い気しないけど。




「李衣にはこーたろしか居ないもん。こーたろは友達いっぱい居るけど。」


おいおい、教室の出入り口付近で紛らわしい言い方するのはやめてくれ…


李衣が昔から、こんな風にべたべた付き纏ってくるせいで、せっかくできた彼女に振られたりしたこともある。


好みのタイプでは決して無いけど、まあ顔は可愛い方だし…

妹みたいなものだし…


一部の友達には李衣に懐かれているのを羨ましがられていたりもする。



…俺もなんだかんだ李衣を拒めないのも事実。




「…ってことで放課後アイス奢りね」


さっきまで泣いていたのが嘘かのよう。


にやっと不敵な笑みを浮かべる李衣。


「はあ?またかよ!」



たかが新しい友達と仲良くなれなかったくらいで、結構な頻度で奢らされているのだ。


俺の反応を見てわざとらしく手を組んでお願いポーズをしてくる李衣。


……そういうキャラだから友達居ないんじゃないのか…?


なんて言ったら怒られるのは決まっている。


言葉をごくりと唾ごと飲み込んだ。


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