普通高校生ワタルの非日常日記
目が離せなかった。
いや多分離せたと思うけど、なんか瞬間移動とかしないかなとアホみたいなことを思った。
だから目を離さなかった。
周りにいた中学の友達も「わっくんおはよー」と声をかけてくれたけど返事をした(多分)けど目線は馬場くん(もうそうなんだろう)をずっと見ていた。

「そんなに見られると僕たちホモみたいじゃないか」

快活に笑っているが僕はずっと引き攣っている。
大体の人は席についていた(はず)。

「視えるって」

「放課後また話そう、人が多い。僕の連絡先も入れておいたからよろしくね」

いつの間にですか。
怖いんですけど。
もう寧ろスリルショックサスペンスです。
もうその時は頭にバンダナ巻いて巻物加えてどっか瞬間移動したかったです。
わけわからん祭り開催中です。
金魚だって空中で泳いじゃうんじゃないかと思いました。

そう言われて連絡先を確認したら確かに馬場彰人の文字がありました。
尚更わけわからん祭りで、今度は大きな神輿まで脳みそ駆け巡っていましたからため息がすごかったです。

「凄く色々詮索しているけど、残念ながら僕と野々宮くんは初めましてだよ。けど、これから野々宮くんにも色々頑張って欲しいから最初から事実を伝えているだけ。詳しくはいつも君が入り浸っている4丁目の月下美人で話すからそれまで普通にしててくれよ」

月下美人っていうのは僕のおばあちゃんが経営している喫茶店でおばあちゃんっ子の僕はよくそこにいる。
おばあちゃんのことまで知っていそうで怖い。

「わかりました、ふふ」

引き攣りが治ることを知らない。
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