黒王子からの甘すぎる溺愛
「へぇ!せなくんっていうんだ!わたしはね_」


ここで初めて彼女の名前を知った。


「日っていう漢字に、向かうって書くの!まきのひなた!よろしくねっ」


今までにみたことのないぐらいキラキラと眩しい笑顔で彼女は名を告げた。


まきの、ひなた。


俺はその名前を胸に刻むように、もう一度心の中で呟いた。


俺は彼女のことをヒナって呼んだ。


ヒナといると今までの自分が嘘のように思えてきた。


彼女といると世界が明るくみえて、真っ暗で何も見えなかった世界が、いっきに色づいた気がする。
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