一番好きなのは、キミだから
◆七星ちゃんのファン〜真宙side〜
【真宙side】
「はぁ〜七星ちゃん。今日も可愛かったな」
俺は、先ほどケーキ屋で購入したケーキの箱を手に、足取りが自然と弾む。
──俺、澄野 真宙には今、好きな子がいる。
その子は、同じ高校に通う新川 七星ちゃん。
ココアブラウンの、胸まであるふわふわの髪。くりくりの大きな二重の瞳。
肌が、透き通るように白くて。
髪の毛と同じようにふわふわした雰囲気の、小柄で華奢な、とっても可愛い女の子。
出会いは、高校の入学式の日。
廊下で彼女とすれ違ったとき、彼女を一目見た瞬間、俺は雷が身体に落ちたような感覚に襲われた。
こんな可愛い子が、漫画やテレビじゃない現実の世界にもいるんだ……と思った。
それまでは一目惚れなんて、あり得ないって思っていたのに。
七星ちゃんを見た瞬間、何か感じるものがあった。
一瞬で好きに……なってしまった。