一番好きなのは、キミだから
え!?
なんで中条さんが!?
予想外の人物に、あたしは目が飛び出しそうになる。
今日の中条さんは、黒のトップスにピンクのミニスカートだ。
美脚で、つい羨ましくなるスタイルの良さ。
「七星ちゃん! 今日、中学の頃のダチの誕生日だからさ。中学の同級生何人かで集まって、そいつの誕生日会やるんだけど」
誕生日会……か。
「それで、中条とケーキを買いにきたんだ」
「そうなんですね。ケーキ、どれにしますか?」
今はバイト中だから笑顔を意識し、あたしは敬語で話す。
「なぁ。ナオって、チョコめっちゃ好きだったよな?」
「うん。スミくんに負けないくらいの甘党! だから、やっぱりチョコレートケーキかな?」
真宙くんが、中条さんと話す。
目の前で、ケーキのショーケースを見つめるふたりの顔の距離がやたらと近くて。
見ていて、モヤモヤする。
ふたりの言う " ナオ " って、女の子なのかな?