一番好きなのは、キミだから
それからは、学校では七星ちゃんのことばかり目で追いかけるようになった。
七星ちゃんに一目惚れして以来、基本は見ているだけだった俺の片思い。
「あ! 七星ちゃんだ」
七星ちゃんが教科書や筆記用具を持って今、友達のメガネちゃんと一緒に廊下を歩いている。
移動教室の帰りかな?
俺は、教室の廊下側の窓越しに廊下を歩く彼女を眺めていた。
いま7月だから、教室の窓が開いてて良かった。
しかも七星ちゃん、今日はツインテールじゃん。似合ってる。
夏になり、衣替えで制服が長袖から半袖に変わった。
七星ちゃんの腕、雪のように白くて。折れちゃうんじゃないかって思ってしまうくらい細い。
それにしても七星ちゃん。ただ歩いているだけなのに可愛いって、やばい。
もう存在そのものが、尊い。
「おい、真宙。そんなにじーっと見るくらい好きなら、その新川さんとやらに、早く告白しろよ」
俺の隣で窓の下枠に頬杖をついている、クラスメイトで中学からのダチの 一之瀬 朝陽が、低い声を出した。
「いやいや、無理無理! って、朝陽お前も俺の隣で今あのメガネちゃんのこと、じっと見てただろ!?」