一番好きなのは、キミだから



笑顔の中条さんが、真宙くんの手のひらにキャンディをいくつかのせた。


『今日は』 キャンディ……か。


中条さんは、教科書を返しに来たときは決まって真宙くんに手作りお菓子とか、何かと甘いものを渡しているのをよく目にする。


キャンディなら……


あたしは、自分の手にあるものを見つめる。


「あれ? 七星。それ、どうしたの?」

「え? あっ、みっちゃん!」


あたしは今、教室の自分の席に座りながら眺めていたモノを、慌てて隠した。


誰かに見られた!? と思って、一瞬焦った。


なんだ、みっちゃんか。良かった……。



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