一番好きなのは、キミだから



放課後。


授業が終わってあたしは、グラウンドへ行くためにひとりで廊下を歩いていた。


「ねぇ、ちょっと」

「……はい?」


突然後ろから呼ばれて、振り返ると……。


そこには、中条さんが立っていた。


「あなた、新川さん……だっけ?」

「そう、ですけど」


同い年なのに、なぜか敬語になってしまう。


「あなたが、この間スミくんと一緒に行ったケーキ屋さんでバイトしていた、新川さん……」


中条さんは、あたしを見定めるかのようにジロジロ見てくる。



< 116 / 248 >

この作品をシェア

pagetop