一番好きなのは、キミだから
放課後。
授業が終わってあたしは、グラウンドへ行くためにひとりで廊下を歩いていた。
「ねぇ、ちょっと」
「……はい?」
突然後ろから呼ばれて、振り返ると……。
そこには、中条さんが立っていた。
「あなた、新川さん……だっけ?」
「そう、ですけど」
同い年なのに、なぜか敬語になってしまう。
「あなたが、この間スミくんと一緒に行ったケーキ屋さんでバイトしていた、新川さん……」
中条さんは、あたしを見定めるかのようにジロジロ見てくる。