一番好きなのは、キミだから



ライバル……。


「ねぇ、あなた知ってる?」

「何をですか?」


「スミくんって、妹のことをすごく可愛がってて。とても大事にしてるじゃない? この前ケーキ屋さんで、あなたとスミくんを見ていてわたし思ったんだけど……」


何?


「スミくんが、あなたを見るときの目。
妹の奈紗ちゃんを見るときと、同じ目をしていたなって」


……え?


「だから、新川さんはスミくんに妹みたいに思われているんじゃないかなー? と思って」


……何それ。


「でも、それは……あくまで中条さんの考えでしょう?」


真宙くんから " 妹みたい " って、言われたわけではないから。

あたしは、そんなの信じない。


「まぁそうだけど。とりあえず、わたしが言いたいのは……」


中条さんの唇が、あたしの耳元に近づく。



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