一番好きなのは、キミだから
真宙くんの好きなところを中条さんに話すのは、少し照れてしまったけど。
「スミくんの、あのあどけない笑顔も良いよね〜!
サッカーしているとき、すごくキラキラしてるところとか。男子でスイーツが好きなところも、なんか可愛いし」
「うんうん」
あたしは、中条さんに同意するように首を縦にふる。
やばい。中条さんの言うこと、すごく共感できるというか。
お互いの真宙くんの好きなところを話せて、すごく楽しいかも。
テレビのアイドルとかの、ファン同士で話している感覚に似てるのかな?
友達のみっちゃんにも、真宙くんのことを話したらもちろん聞いてはくれるけど……。
そういうときはどうしても話すのが、あたしの一方的になってしまうから。
心置きなく、真宙くんについて誰かに語ったのは初めてだ。
恋のライバルって、どうも対立するイメージがあるんだけど。
ほんの少し前までは、あたしもそうとしか思っていなかった。
でも、こうして好きな人について話を共有できる点は、ライバル同士も良いのかもしれない。
今日、中条さんと話してみて、新たな発見があった───。