一番好きなのは、キミだから



ピピーーーッ!


「ありがとうございましたーっ!」


練習終了を知らせるホイッスルが鳴り響くと。


「キャーッ!」


黄色い声とともに、走り出す女の子たち。


あたしも、この前みたいに出遅れないように急ごう。そう思い、足を踏み出そうとしたそのとき。



「あなた、ちょっと邪魔!」

「どいてっ!」


───ドンッ!


「きゃ……っ」


後ろから走ってきた女の子に、あたしはいきなり肩を強く押された。


「っ……」


その拍子に身体のバランスを崩し、あたしは転んでしまった。


手に持っていたクッキーの袋も、地面に勢いよく落ちてしまう。


「あっ……!」


クッキーが……!



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