一番好きなのは、キミだから
真宙くんは、しゃがんでいたのを立ち上がって、離れた所からこちらをじっと見ていたファンの女の子たちを睨んだ。
「なぁ。さっき七星ちゃんのことを押した子、誰だよ!? そのせいで七星ちゃん、怪我しちゃったじゃねぇか。女子だからって、俺は許さないから」
こんな怒ったように大声で話す真宙くんは、初めて見たかもしれない。
真宙くんにそんなふうに言ってもらえただけで、あたしはもう……良いや。
「七星ちゃん、行くよ」
するとなぜか真宙くんは、あたしの背と膝裏に手を回す。
「えっ、ちょっ……真宙くん!?」