一番好きなのは、キミだから
「やあ! 七星ちゃん」
「新川さん。元気? 今日も可愛いね」
廊下で七星ちゃんとすれ違った男2人が、七星ちゃんに声をかけている。
七星ちゃんは、男子からけっこう人気がある。おそらく七星ちゃん本人は、無自覚だろうけど。
くっそー。自分が目につくところで、七星ちゃんが他の男と話しているだなんて。
なんか、すっげームズムズする。
「七星ちゃん!!」
気づいたら俺は、教室の窓から身を乗り出して、七星ちゃんを呼んでいた。
七星ちゃんが、少しびっくりした顔でこちらへ振り返ってくれる。
うわ。今、確実に目が合った!
一瞬でも、七星ちゃんの視界に入れた。
ていうか、振り向くときの横顔もきれい。
って! 思わず声をかけてしまったけど、どうしようか。