一番好きなのは、キミだから



……え? こうするから平気って、何をどうするの?


あたしが首を傾け、疑問に思っていると。


距離を詰めてきた真宙くんがあたしのお腹に手を回し、後ろからぎゅーっと抱きしめてきた。


えっ!

こっ、これってもしかして……バックハグ!?


「ごめんね、突然。寒くて、七星ちゃんにくっつきたいなって思っちゃったから」


えーーっ!


「もし七星ちゃんが嫌なら、今すぐ俺のことを突き飛ばしてくれて良いから」


つっ、突き飛ばすだなんて……!


好きな人にそんなこと、できるわけないよ。


「あー。七星ちゃんにくっついてると、あったかい」


真宙くんがあたしの肩に、甘えるように顎をのせてくる。


「まっ、真宙くん」


あたしの脈は速まっていくばかりで、落ち着かない。



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