一番好きなのは、キミだから
一瞬だけ思考停止した後、俺は……。
「七星ちゃん。そのツインテール、めっちゃ似合ってる! すっげー可愛い!」
やば。つい、叫ぶように言ってしまった。
って、うおお! なんか周りの奴ら、めっちゃこっち見てるし。
いつの間にか、みんなの注目の的になっていた。恥ず……!
けど、そんな俺に七星ちゃんは、照れくさそうにペコッと軽く会釈してくれた。
そして、古賀ちゃんと一緒に隣の教室へと入って行った。
ああ、七星ちゃんが会釈してくれた。
可愛い、可愛い。可愛すぎる。
可愛い以外の言葉が、見つからない。
俺、語彙力皆無……。
「良かったじゃん、真宙」
朝陽が、俺の背中をポンッと軽く叩く。
「頑張れよ、片思い!」
「朝陽、お前もな」
──七星ちゃんは、隣のクラスで。
可愛いから、当然男子から人気があって。
そんな彼女に、俺は簡単には近づけない。
共通の知人がいるとか、同じクラスだとか。
何かそういう接点があればなぁ。
もしくは俺に、もっと積極性があれば……。