一番好きなのは、キミだから
◇告白現場
「七ちゃん!」
「あ、雪乃ちゃん!」
この日の授業が終わって、放課後。
廊下をひとり歩いていると、後ろから中条さんに声をかけられた。
「七ちゃん、今からスミくんの部活見に行くの?」
「うん。雪乃ちゃんも?」
「そう。グラウンドまで一緒に行かない?」
「そうだね、行こう」
中条さんに『スミくんが好き同士、お互い頑張ろう』と言われて、握手を交わしたあの日以降。
学校で会ったとき話すようになったあたしたちは徐々に仲良くなり、お互いを『七ちゃん』『雪乃ちゃん』と、下の名前で呼び合うようになった。
同じ男の子を好きになった者同士だからか、話してみれば意外とあたしたちは馬が合うことが分かった。
だから、今では雪乃ちゃんとは " ライバル " であり " 友達 " だ。