一番好きなのは、キミだから
かつては雪乃ちゃんに、きつく睨まれたりしたこともあったけど。
雪乃ちゃんと仲良くなれて良かったと、今では心からそう思う。
「ねぇ。駅前に新しくできたクレープ屋さん、七ちゃんはもう行った?」
「ううん。気になってはいるんだけど、まだ行けてなくて」
「そこのクレープ、すごく美味しかったからオススメだよ。良かったら今度、学校帰りに一緒に行かない?」
「良いねぇ。行きたい」
あたしは、雪乃ちゃんに微笑む。
「……あのさ、七ちゃんにだから話すけど」
ふたり並んで昇降口へと向かってしばらく歩いていると、雪乃ちゃんの声が突如低くなった。
真剣な顔つきの雪乃ちゃんと、張り詰めた雰囲気に、こちらまで緊張してしまう。
「あのね、七ちゃん。わたし……明日スミくんに告白しようと思う」