一番好きなのは、キミだから
そして、翌朝。
「ふあぁ」
あたしは、あくびの出る口元を手でおさえながら、学校の廊下を歩く。
昨日の夜は、ほとんど眠れなかったな。
あたしが、真宙くんに告白するわけじゃないのに。
友達の告白が気になって、眠れなかっただなんて……。
「あ! 七星ちゃん、おはよー!」
あたしが教室に入り自分の席まで行くと、先に来ていた真宙くんが元気よく声をかけてくれた。
「おはよう、真宙くん」
どうしよう。最近は、真宙くんの顔を見る度に 『好き』という気持ちが込み上げてくるようになった。
真宙くんと同じクラスになって。
席も、前後で。
以前よりも、彼と過ごす時間が増えて。
真宙くんのことを、知っていくうちに……
あたし……どんどん真宙くんのことを好きになってる。