一番好きなのは、キミだから
そして、放課後。
「はぁ……」
自分が真宙くんに告白するわけじゃないのに、今日はほとんど授業に集中できなかった。
高校2年生になって、初めての中間テスト前なのに……。
ほんとダメだなぁ、あたし。
「ねぇ、スミくん。ちょっといい?」
……あ。
あたしがカバンを手に帰ろうとしていたところ、雪乃ちゃんが教室へとやって来た。
「スミくんに……大事な話があるの」
いつになく真剣な顔つきの雪乃ちゃんに、真宙くんの表情も引き締まったように見えた。
「俺に、大事な話? それなら、場所移動するほうが良いか?」
真宙くんが雪乃ちゃんに言うと、ふたりは一緒に教室を出ていった。