一番好きなのは、キミだから
中条を、七星ちゃんだと思って……
「なぁ。それって、やらなきゃダメか?」
「もちろん強制ではないけど。ただ、自分ひとりで練習するのは、限界があるだろうし。実際に人を前にして、練習したほうが良くない? と思って。受験や就活の面接の練習と一緒で」
言われてみれば、確かに。
せっかく中条がそう言ってくれてるし。
ひとりで、ひたすら頭の中で練習するよりは良いかもしれない。
「それじゃあ……やってみるわ。予行練習」
そう言うと俺は、目を閉じた。
今、目の前にいるのは中条ではなく、俺の大好きな七星ちゃん。
可愛い可愛い、七星ちゃん……よしっ。
俺は七星ちゃんをイメージし、スーッと深呼吸すると。
「……俺、ずっとキミのことが好きだったんだ」