一番好きなのは、キミだから
だからクラスメイトとして、必要最低限の関わりだけを持つようにしている。
あたしからは、なるべく真宙くんに話しかけないようにしているのに。
「七星ちゃん、昨日のドラマ観た?」
あたしの気持ちなんて知る由もない真宙くんは、今までと変わらず話しかけてくれるから。
しかも、あたしが大好きな笑顔を向けてくれる。
「ごっ、ごめん。あたし、ちょっとお手洗いに……」
その度にあたしは、何かしら理由をつけて真宙くんから離れる。
ごめん、真宙くん。あなたを避けるようなことをしてあたし……すごく感じ悪いよね。
人として、失礼だよね。
本当は自分でも、ダメだって分かってるんだよ?
ああ。こんなことになるなら、せめて真宙くんに告白しておけば良かった。
潔く振られてしまえば、諦めもついたのに。
って、真宙くんにはもう彼女がいるんだから。
あたしは、振られたも同然だけど。
ただ、告白しないまま失恋するよりも、告白して自分の想いを真宙くんにちゃんと伝えた上で、失恋するほうがまだ良かったな。
後悔したって、もう遅いのに。
つい、そんなことを思ってしまうんだ。