一番好きなのは、キミだから
もしかして、『雪乃ちゃんという彼女ができた』っていう報告とか?
もしそうなら、そんな話は聞きたくないよ。
「ご、ごめん! あたし、急ぐから……今日は無理」
そう言って、あたしはその場を去ろうとした。それなのに……。
「待って……!」
あたしは、真宙くんに手首を強く掴まれた。
「真宙くん。はっ、離して!!」
あたしの手首を掴んでいる真宙くんの手を、振りほどこうとするけれど。
真宙くんの……男の子の力には、当然敵うはずはなくて。
「最近の七星ちゃん、何か変だよ。俺のこと、明らか避けてるよね?」
う……。
ついに、真宙くん本人から直接言われてしまった。
完全に、無視していたわけではないけど。
やっぱり、避けてるって思われるよね。
「ねぇ、どうして? 俺、七星ちゃんに何かした?」