一番好きなのは、キミだから


【真宙side】


『今、真宙くんとは話したくないの』


七星ちゃんにそう言われて、すごくショックだった。こんなにハッキリと拒否されたことは、今までなかったから。


……俺と、話したくないって。

関わりたくないって、なんでだよ。


俺は、髪の毛をくしゃくしゃっと掻きむしった。


ああー、なんかやけにむしゃくしゃする。


俺は今、グラウンドで部活の最中なのだけど。


さっきの七星ちゃんの言葉が、繰り返し頭の中を駆け巡って。


「はぁ……」


自分が大好きなサッカーをしているというのに。ドリブルの練習にも、全く身が入らない。


「おい、澄野。お前、ボーッとすんなよ」

「すいません……」


先輩に注意されてしまった。


あと数日したら期末テスト1週間前で、部活が休みになるから。


今日はテスト前の、貴重な練習日なんだ。

部活に集中しなきゃならないのに、集中できない。


こんなことは初めてだ。



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