一番好きなのは、キミだから
数日前からずっと胸の辺りが、モヤモヤする。
これも、七星ちゃんに避けられるようになってからだ。
──なぁ、七星ちゃん。
俺、キミに何かしたかな?
さっき七星ちゃんに聞いたら、『真宙くんは、何もしてないよ』って言っていたけど。
七星ちゃんのことだから、そもそも何もなかったら、俺を避けたりなんてしないだろ?
数学の宿題で、分からないところを聞いたときも。
俺が、昨日のテレビの話をしようとしたときだってそうだ。
ドリブルの練習が終わって、今度はシュートの練習を始めるが……外してばかりで一度も決まらない。
ねぇ、七星ちゃん。
さすがに俺もあからさまに避けられたら、傷つくんだけど。
たった1人の女の子にそうされただけで、こんなにも心が乱されて。
部活も、全然集中できないだなんて。
俺はいつの間にか七星ちゃんのことが、ケーキやサッカーよりも……
どんなものよりも、一番好きになっていたんだ。
キミに一目惚れした去年とは比べ物にならないくらい……七星ちゃんが大好きになっていたんだなぁ。