一番好きなのは、キミだから
「だめだよって……なんで?」
真宙くんが驚いたように、目を見開いている。
……あ。
あたしってば、また……。
「なぁ。どうしてそんなこと言うんだよ、七星ちゃん」
隣に座っていた真宙くんが、ベンチから立ち上がった。
「やっぱり七星ちゃん……俺のこと、嫌いになった?」
ううん、違う。違うの。
あたしが真宙くんを、嫌いになんてなるわけない……!
あたしは首をめいっぱい横に振るけど、真宙くんはちっとも見てくれない。
「最近の七星ちゃん、ほんと意味分かんねぇ。せっかく俺は、自分の気持ちに改めて気づけたっていうのに……だから、七星ちゃんに会いたくて、今日ケーキ屋まで来たのに。そんなふうに拒否されたら……」
真宙くんがあたしに背を向け、歩き始める。
「待って、真宙くん……!」