一番好きなのは、キミだから
真宙くんに、あたしの声が届いていないのか……足を止めてはくれない。
「真宙くん、行かないで……!」
あたしと真宙くんの距離が、どんどん開いていく。
あたしが、真宙くんを嫌いだと誤解されたままだなんて、そんなの嫌だ。
……いま言わなきゃ、絶対に後悔する。
直感的にそう思った。
真宙くんに彼女がいようがいまいが、そんなの関係ない。
『俺、素直な子は好きだよ』
かつて、真宙くんはそう言っていた。
だから……今こそ、本当に自分に素直にならなきゃ。
素直になって、自分の想いを真宙くんに伝えなくちゃ。
ぎゅっと拳を握ったあたしは、真宙くんを追って走り出す。
「ねぇ、待ってよ真宙くん……!」
やっとの思いで真宙くんに追いついたあたしは、真宙くんの制服のシャツをきゅっと掴んだ。
「あたし、真宙くんが好きなの……!」