一番好きなのは、キミだから



まずは買い物を楽しもうと、ふたりでのんびりと街を歩く。


真宙くんと歩いていると、すれ違う女の人が真宙くんのことをちらちらと見ていく。


「あの人、モデルさん?」

「超かっこいい〜」

というような声さえ聞こえてくる。



今日の真宙くんの格好は、白のシャツと黒のスキニーパンツ。

その上に、ネイビーのテーラードジャケットを羽織っている。


真宙くんはスタイルが良いから、ほんと何を着ててもかっこいい。


「どうしたの? 俺のことじっと見て」

「いや……」


かっこよくて見惚れてたなんて、言えない。


「そういえば、七星のその星のイヤリング可愛いね」


真宙くんの指が、さりげなくあたしの耳に触れた。


ほんの一瞬触れただけだったのに、その場所がかっと熱を持ったように感じる。


爽やかな微笑みを向けられ、鼓動が速くなるのを止められない。


きっと赤くなっているだろう頬を見られないよう、あたしはそっと顔を横に向けた。



< 231 / 248 >

この作品をシェア

pagetop