一番好きなのは、キミだから



反対方向から歩いてきた雪乃ちゃんに、すれ違いざまに声をかけられた。


うそ。まさか真宙くんとのデート中に、雪乃ちゃんと会っちゃうなんて。


「おー、中条。こんな街中で会うなんて、すごい偶然だな。久しぶりっ!」


「うん。ふたりとも……久しぶりだね」


ニコッと微笑む雪乃ちゃんの顔は、大人っぽくて。やっぱり美人だなぁと、改めて思った。


「中条も……買い物に来たのか?」


10代から20代の女子に人気の洋服ブランドのショップバッグを手にする雪乃ちゃんに、真宙くんが尋ねる。


「うん、そうだけど。スミくんたちは、もしかして……デート?」



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