一番好きなのは、キミだから
雪乃ちゃんの問いかけに、真宙くんがあたしと繋いでいた手をパッと離した。
真宙くん。繋いでいた手を離すってことは……あたしと一緒で、雪乃ちゃんに対して気まずく感じてるのかな?
雪乃ちゃんとこうして会うのは、真宙くんと両想いになってからは初めてだ。
雪乃ちゃんが真宙くんに告白して以降、以前のように彼女が真宙くんに会いにあたしたちのクラスへと来なくなってしまったから。
こうして会うのは、本当に久しぶりだ。
こちらとしても、雪乃ちゃんのことを避けていたわけではないけれど……。
いざ顔を合わせると、なんとなく気まずい。
雪乃ちゃんもあたしと同じく、真宙くんのことが好きだったんだから。
自分の好きな人が、恋人と歩いているところに遭遇してしまったら、一体どんな気持ちなのかなって思ってしまう。
あたしは、無事に真宙くんと両想いになれたから良かったものの。
それがもし反対の立場だったら……きっと、辛い。失恋は、そう簡単には振りきれないはずだから。
あたしは、雪乃ちゃんの顔が見れなくて下を向いてしまう。