一番好きなのは、キミだから
◇一番好きなのは、キミだから
雪乃ちゃんと別れ、真宙くんと再び街を歩く。
「ねぇ、七星。そろそろお腹空かない?」
「少し空いたかも。真宙くん、何食べたい?」
「そうだなぁ。やっぱり俺は……」
真宙くんが指さすお店の看板には、美味しそうなケーキの写真が。
「いいね。あそこ、入ろっか」
あたしと真宙くんは、カフェで一旦休憩することにした。
***
白を基調とし、アンティーク家具が並ぶ店内はとても落ち着いた雰囲気だ。
女性や、カップルのお客も多い。
あたしと真宙くんが案内されたのは、半個室のようになっている席。
カーテンで仕切られており、ここなら周りを気にせずゆっくりとカフェタイムを楽しめそうだ。
「うーん。どれにしようかな」
真宙くんと向かい合って席に着いたあたしは、メニューを見て悩む。
ああ、ハートの形をしたチョコケーキすごく可愛い。
入口でディスプレイされてたショートケーキも、いちごがたっぷりで美味しそうだったなぁ。あと、今が旬の桃のケーキも捨て難い……。