一番好きなのは、キミだから



「七星、どれにするか決めた?」


「うーん。ハートのチョコケーキと、季節限定の桃のショートケーキで迷ってる」


「それじゃあ、チョコケーキと桃のショートケーキを注文しよっか。お互い半分こしたら、どっちも食べれるだろ?」


「でも、真宙くんが食べたいやつは……?」


「俺もちょうど、同じのふたつで迷ってたんだよね。だから、ちょうど良かった」


真宙くんが、柔らかく微笑む。


……いや、違う。真宙くんは最初からずっと、別のケーキを見てたよね?


それなのに……


あたしがケーキ2種類でどっちにしようか迷っていたら、その片方を選んでくれるなんて。


彼のそういうところが、本当に優しい。



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