一番好きなのは、キミだから
「すいません」
真宙くんが声を出すと、すかさず店員さんがやってきた。
そのままそつなく注文を伝える姿さえかっこよくて、ついつい見とれてしまう。
真宙くんと話しながら待っていると、しばらくして注文していたケーキと飲み物が運ばれてきた。
「うわぁ、可愛いー!」
ハートの形をしたチョコケーキと桃のショートケーキを前に、あたしは思わずテンションが上がる。
「ねぇ、真宙くんも見て見て。このケーキ、すごく可愛いよ」
「うん。確かにケーキも可愛いけど。俺からしたら、はしゃいでる七星のほうがもっと可愛いな」
えっ!
「もっ、もう! 真宙くんってば、お店には他の人もいるんだから。そんなこと言わないで」