一番好きなのは、キミだから



「ん〜っ。チョコケーキも美味しいね。真宙くんも、桃のケーキ食べる?」

「食べる」


フォークを真宙くんに近づけると、嬉しそうにぱくりと食べてくれた。


「うんっ。七星に食べさせてもらったからかな? すげー美味い」


心から喜んでいる真宙くんの笑顔に、胸が甘い音を立てる。


好きな人と仲良く一緒に、お互いの好きなケーキを食べる。

ほんの些細なことだけど、今のこの時間がとても幸せだ。



───あたしたちは最初、ケーキ屋さんの店員とお客さんから、ふたりの関係が始まった。


そこから少しずつ、話すようになって。
高校2年のクラス替えでは、念願の同じクラスになれた。


真宙くんと過ごすうちに、彼に優しくされるたびに、どんどん好きになっていって。


気づけば、大好きな存在になっていた。


恋愛で報われない人も沢山いる中で、あたしは真宙くんと奇跡的に両想いになれた。


自分の好きな人が、同じように自分のことも好きでいてくれる。


きっと、こんなにも喜ばしいことってない。


だから……そんな真宙くんと、これからも変わらずずっと一緒にいたいって思うんだ。



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