一番好きなのは、キミだから
よし。深呼吸して……。
「まっ、まひろ……くん」
って、あたしの声ちっちゃ!
緊張すればするほど、いつも声が小さくなっちゃうんだよね。
こんなんじゃきっと、真宙くんに聞こえないって。
「ん……あれ? あ! やっぱり……!
七星ちゃんだ〜」
すると突然、前を歩いていた真宙くんが、くるりとこちらへ振り返った。
「なんかとっても可愛い声で、後ろから俺の名前を呼ばれたと思ったんだよね。
俺、今ちょうど七星ちゃんに会いたいなって思ってたところなんだ。そしたら、会えた……!」
真宙くんが、満面の笑みを見せる。
「真宙くん……気づいてくれたの? あんな消え入りそうな声だったのに」
「もちろん。ちゃんと聞こえたよ。
七星ちゃんが、俺の名前を呼んでくれてるんだもん。気づかないわけがないよ」
う、嬉しい……!
「というわけで、おはよう! 七星ちゃん」