一番好きなのは、キミだから
あたしと真宙くんの視線がかち合う。
「だから、古賀ちゃんに手を出すなんてことはしないよ。からかってごめんね?
朝陽のダチとして、朝陽のことを振った子がどんな子なのか、ちょっと気になってたから」
あたしと合った目を、真宙くんは逸らさない。
まさか、真宙くんの好きな子って……?
真宙くんが、あまりにもあたしをじっと見つめてくるものだから。
もしかして……あたし? と一瞬思ってしまったけど。
あたし……なわけないか。
だって真宙くんは、学校の人気者で。
あたしとは、ケーキ屋さんのただの店員とお客さんという関係だけで。
プライベートでは、そこまで仲良くないから。
ていうか、真宙くんに長い間じっと見られたらやばい。
あたしは、真宙くんからふいっと目を逸らした。
頬が、焼けちゃいそうなくらい熱い。
「俺ら、同じクラスだし。これからよろしくね、古賀ちゃん。それに、七星ちゃんも!」
真宙くん。急にこっちに話しかけないで。
「うっ、うん。よろしく真宙くん」
あたしは、そう答えるのがやっとだった。