一番好きなのは、キミだから
◇放課後、ふたりで︎︎︎︎
始業式の今日は、午前中で学校が終わり。
「みっちゃん、ごめん。あたし今日急いでるから、先に帰るね」
「わかった。七星、気をつけてね」
「うん! みっちゃんまた明日ね」
SHRが終わると、あたしはみっちゃんに声をかけて、急いで教室を出る。
みっちゃんに『急いでる』といったものの、実は嘘だ。
みっちゃんに片思い中である、学校の王子様の一之瀬くんに、『今日、美月と一緒に帰りたいから協力してくれない?』と頼まれたのだ。
友達に急いでいると言った手前、あたしが早足で昇降口へ向かうと……。
「七星ちゃん!」