一番好きなのは、キミだから
お願いって、なんだろう?
「あたしにできることなら……」
「いや実は俺の妹も、そのクマのキャラクターが好きでさ」
「奈紗ちゃんが?」
「妹の名前、覚えててくれたんだ?」
真宙くんの顔が、パッと明るくなる。
「そりゃあ、もちろん。真宙くんの妹さんだから」
「ありがとう。奈紗がそのクマ好きで。
ピアノの発表会を頑張ったらご褒美に、そのクマのグッズが欲しいって言われたんだけど……確か、そのクマグッズ専門のショップがあるんだよな?」
「うん。この近くだと、学校の最寄り駅から3つ先の駅近くのショッピングモールにそのショップがあるよ」
「そうなんだ。俺、そういうの疎くて。
それに……男がそういう店にひとりで行くのは、ちょっと勇気がいるなーって思ってたんだ。だから……」