一番好きなのは、キミだから
真宙くんが、人差し指で頬を掻いた。
「えっと……七星ちゃんが良ければ、俺と一緒にその店に行ってくれませんか?」
真宙くんが、自分の顔の前で両手をパンと思いきり合わせる。
「お願い。こういうことは、七星ちゃんにしか頼めないんだ」
『七星ちゃんにしか頼めない』
好きな人にそんなことを言われたら……やばい。
あたしを頼りにしてくれて、むしろ嬉しい。
「いいよ。あたしで良ければ」
ぜひとも、真宙くんの役に立ちたい。
「ありがとう! 七星ちゃん。
いきなりだけど、今日このまま行けたりする? 明日学力テストがあるから、もし無理ならまた後日……」
「ううん。今日は、バイトもないし。テストの勉強も昨日やっておいたから、大丈夫」
「ありがとう、助かるよ。それじゃあ、このまま一緒に駅へ行こうか」
「うん」
って、あれ? 快くOKしたのは良いものの。これは、もしや……真宙くんと一緒におでかけ!?