一番好きなのは、キミだから


【真宙side】


俺は七星ちゃんのこめかみに軽く手を添えると、起こさないようにそっと、彼女の頭を自分の肩にのせた。


肩に感じる彼女の重み。

スースーと規則正しく聞こえてくる、小さな寝息。


隣でウトウトと眠たそうにする七星ちゃんを見て、つい妹の奈紗にする感覚で、自分の肩にもたれかけさせてしまったけど……。

これで、良かったのかな?


でも俺は……正直、彼女とくっつけて幸せ。


七星ちゃんのあどけない寝顔、可愛すぎるんですが。



目を閉じてると、改めてよく分かる。

七星ちゃんって、まつ毛がすごく長いんだなぁと。


七星ちゃん。春休み中も、バイト一生懸命頑張ってたもんな。


もしかして、疲れが溜まってたのかな?


七星ちゃんっていつも、笑顔で頑張っててほんと偉いよな。


俺は、七星ちゃんの頭をそっと撫でる。


彼女がすごく、愛おしい。



───目的の駅までは、たったの3駅。


3駅なんて、あっという間じゃん。


このままずっと、駅に着かなければ良いのに……。



< 49 / 248 >

この作品をシェア

pagetop