一番好きなのは、キミだから
【真宙side】
俺は七星ちゃんのこめかみに軽く手を添えると、起こさないようにそっと、彼女の頭を自分の肩にのせた。
肩に感じる彼女の重み。
スースーと規則正しく聞こえてくる、小さな寝息。
隣でウトウトと眠たそうにする七星ちゃんを見て、つい妹の奈紗にする感覚で、自分の肩にもたれかけさせてしまったけど……。
これで、良かったのかな?
でも俺は……正直、彼女とくっつけて幸せ。
七星ちゃんのあどけない寝顔、可愛すぎるんですが。
目を閉じてると、改めてよく分かる。
七星ちゃんって、まつ毛がすごく長いんだなぁと。
七星ちゃん。春休み中も、バイト一生懸命頑張ってたもんな。
もしかして、疲れが溜まってたのかな?
七星ちゃんっていつも、笑顔で頑張っててほんと偉いよな。
俺は、七星ちゃんの頭をそっと撫でる。
彼女がすごく、愛おしい。
───目的の駅までは、たったの3駅。
3駅なんて、あっという間じゃん。
このままずっと、駅に着かなければ良いのに……。