一番好きなのは、キミだから



「七星ちゃん、好きだよ」


俺は、彼女の耳のそばでそっと囁く。


言っても、寝ている彼女には届かないからこそ、あえて今言わせてもらった。


去年の入学式で、俺が七星ちゃんを好きになってちょうど1年。


俺の片思い2年目スタートの今日。


まさかの七星ちゃんと同じクラスになれて、席まで前後。


まるで、宝くじの1等でも当たったみたいな気分。俺にとっては、それくらい凄いことだ。


こんなことを言うのは、恥ずかしいけれど。


もし、恋の神様がいるのならば。


これはきっと神様が俺に与えてくれた、七星ちゃんともっと仲良くなるためのチャンスなんだ。

だから、無駄にだけはしたくない。


七星ちゃんの通学カバンの、クマのパスケースを見たとき、ふと妹の言っていたことを思い出した。


七星ちゃんには、急なお願いで申し訳なかったけど。


奈紗が言っていたご褒美のクマのおかげで、こうして七星ちゃんと学校以外の場所へ出かけるキッカケができた。


七星ちゃん。この先俺らが、今よりもっと仲良くなれたら……。


俺の想いを、今度はちゃんとキミが起きているときに伝えさせてくれよな。


【真宙side * end】



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