一番好きなのは、キミだから



間もなく電車が駅に到着し、駅を出てすぐのショッピングモールにやって来た。


「かっわいい〜〜!」


目的のクマのキャラクターグッズ専門のショップにやって来て、あたしのテンションは一気に上がる。


春限定の、桜をモチーフとしたグッズ。


クマのぬいぐるみの耳のところに、桜の花がついてて、超可愛い。


こっちは、ぬいぐるみの顔から足までの身体全体が、桜の花の色であるピンクになっていて可愛い。


「やばい。これ欲しいなー」


あたしはキーホルダーを手に、しばし眺める。


ぬいぐるみ、文具、ポーチ、カバン……

その他、店内は様々なクマのキャラクターグッズで溢れていて。


なんて幸せな空間なんだろう。
ずっと、ここにいたい……。



「あのー、七星ちゃん。見ているところ悪いんだけど……」


はっ……! あたしってばつい、真宙くんのことを忘れて夢中になっていた。


今日は、自分のために来たわけじゃないのに……!


「はは、七星ちゃん。本当にそのクマ好きなんだね」


「ごっ、ごめんね? なんか、あたし1人ではしゃいじゃって……」


「なんで七星ちゃんが謝るの? 素のままの楽しそうな七星ちゃん、俺好きだけどな」



< 52 / 248 >

この作品をシェア

pagetop