一番好きなのは、キミだから
間もなく電車が駅に到着し、駅を出てすぐのショッピングモールにやって来た。
「かっわいい〜〜!」
目的のクマのキャラクターグッズ専門のショップにやって来て、あたしのテンションは一気に上がる。
春限定の、桜をモチーフとしたグッズ。
クマのぬいぐるみの耳のところに、桜の花がついてて、超可愛い。
こっちは、ぬいぐるみの顔から足までの身体全体が、桜の花の色であるピンクになっていて可愛い。
「やばい。これ欲しいなー」
あたしはキーホルダーを手に、しばし眺める。
ぬいぐるみ、文具、ポーチ、カバン……
その他、店内は様々なクマのキャラクターグッズで溢れていて。
なんて幸せな空間なんだろう。
ずっと、ここにいたい……。
「あのー、七星ちゃん。見ているところ悪いんだけど……」
はっ……! あたしってばつい、真宙くんのことを忘れて夢中になっていた。
今日は、自分のために来たわけじゃないのに……!
「はは、七星ちゃん。本当にそのクマ好きなんだね」
「ごっ、ごめんね? なんか、あたし1人ではしゃいじゃって……」
「なんで七星ちゃんが謝るの? 素のままの楽しそうな七星ちゃん、俺好きだけどな」