一番好きなのは、キミだから


すっ、好き!?


「ねぇ。これからもっと俺に、いろんな七星ちゃんを見せてよ」


いろんなあたしを……?


あたしを真っ直ぐ見つめてくれる真宙くんが、とても優しい顔をしていて。


胸が、ドキドキと高鳴る。


「あっ、そうだ! クマが大好きな七星ちゃんに、もうひとつお願い。

妹へのプレゼント、一緒に選んでもらいたいんだけど……良いかな? 俺、よく分からなくて」


「もっ、もちろんだよ」


それからあたしは、真宙くんと一緒に奈紗ちゃんへのプレゼントを選んだ。


誰かへのプレゼントというと、すごく悩んだけど。


真宙くんの予算を聞いて、真宙くんにも『これはどう?』と確認しながら。


悩んだ末、最終的に選んだのは、春ならではの桜色のクマのぬいぐるみと、クマのキャラクターが刺繍されたハンカチ。

どれも、この春の新作グッズだ。


奈紗ちゃんへのプレゼントだけど、あたしも欲しいなと思う物を選んでしまった。


「ありがとう、七星ちゃん。おかげで良いものが買えたよ」


お会計を終えた真宙くんが、ショップの袋を手にして戻ってきた。


「どういたしまして。奈紗ちゃん、喜んでくれると良いね」


「うん……七星ちゃん。ちょっと、手を出してくれる?」



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