一番好きなのは、キミだから



「んーっ」


どれにしようかな。

しばらくして、自分の注文の順番がやって来た。メニュー表を見ながら、悩むあたし。


季節のフルーツパンケーキ……。
春だから、今はイチゴだ。


あ、ティラミスパンケーキも良いな。


どっちにしようかな……?


「七星ちゃん決まった?」


「あ、えっと。あたしは、季節のフルーツパンケーキでお願いします」


「じゃあ、俺は……ハチミツと生クリームのパンケーキと、ティラミスパンケーキで」


結局、今日のお礼にと、あたしの分のパンケーキも真宙くんがお支払いをしてくれた。


「はい、七星ちゃん」


フードコートで向かい合って席に着くと、真宙くんがあたしにティラミスパンケーキを差し出す。


「あれ? それ、真宙くんのでしょ?」


「ううん? 余計なお世話かもしれないけど……七星ちゃんのために、頼んだんだ」



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