一番好きなのは、キミだから
「そういう真宙くんも、幸せそうだよ?」
パンケーキを、ほっぺた落としそうにして食べてる顔がすごく幸せそうだ。
「うん、幸せだよ? 今、七星ちゃんと一緒にいるから」
え……!!
もしかして真宙くんも、あたしと同じ気持ちでいてくれてるの?
パンケーキを食べている口の中だけでなく、胸まで甘くなる。
「美味しいね〜! パンケーキ。
あ! 七星ちゃん、俺のハチミツのパンケーキも食べる? まだ手つけてないから、良かったらひとつ取って?」
「あ、それじゃあ……あたしのイチゴのも1枚どうぞ?」
「ありがとう! じゃあさっそく、イチゴのをひとくち……って、うんまぁ」
真宙くんが、一瞬で笑顔になる。
───好きな人と、一緒に過ごせて。
真宙くんの笑顔を、独り占めできて。
お互いのパンケーキをシェアして。
真宙くんとデートしているみたいで、とても幸せ。
「七星ちゃん。良かったら、今度またふたりで一緒に甘いもの食べに行かない?」
「いっ、行きたい! あたしで……良ければ」
もしかしてこの先もまた、真宙くんとこうして出かけられるのかな? 本当に実現すると良いな。
その日を夢見て、あたしはパンケーキを口に運んだ。