一番好きなのは、キミだから
「……で? 真宙はどうだったんだ? 昨日、新川さんと」
「ああ。帰りに妹へのプレゼントを買いに一緒に、キャラクター専門のショップに付き合ってもらったよ。お礼に、クマのキーホルダーも買って渡した」
俺は、昨日の放課後の出来事を朝陽に報告する。
「まじで。良かったな! 放課後デートできて。俺らの作戦、成功じゃねぇ?」
「だな」
俺と朝陽は、「いぇーい」とグータッチする。
俺らの作戦、とは……。
昨日の放課後。
朝陽が七星ちゃんに『今日、美月と一緒に帰りたいから協力してくれない?』と頼んだ。
それに協力した優しい七星ちゃんは、古賀ちゃんと帰ろうとしていたところを、ひとりで帰ることになる。
そこを俺が偶然を装って、下駄箱のところで声をかけたのだった。
うまくいって良かった。そのおかげで、俺も朝陽もハッピーだ。